激しい空爆が始まり、惨禍が人々を襲います。老人や女性、そして子供たち・・・次々と弱いものが大きな犠牲となっていきました。バグダッドへの米軍入城の瞬間をとらえた綿井健陽は、米軍の戦車の前に立ちはだかる一人の女性の叫びにキャメラを向けました。「How
many children have you killed? Go to the hospital and see
the people dying!」(お前たち何人の子供を殺したんだ? 病院に行って、死んでいく人たちを見てこい) その言葉に突き動かされた綿井は、翌日バグダッド市内のサウラ病院で凄惨な状況を目撃します。瀕死の娘を抱えたアリ・サクバン(当時31歳)は、イラン・イラク戦争で二人の兄を失い、自らはイラク軍兵士として徴兵され、クェート侵攻に参加し、そして今回のイラク侵攻で3人の子供を空爆で失ったのです。