戦火のイラク市民に何が起こったのか。そして、今も続く戦火の中で、イラクの人々はどう生きているのか。取材は2003年3月に始まりました。空爆前の豊かなバグダッドの日常、子供たちは、朗らかな笑顔をたたえていました。
 
  激しい空爆が始まり、惨禍が人々を襲います。老人や女性、そして子供たち・・・次々と弱いものが大きな犠牲となっていきました。バグダッドへの米軍入城の瞬間をとらえた綿井健陽は、米軍の戦車の前に立ちはだかる一人の女性の叫びにキャメラを向けました。「How many children have you killed? Go to the hospital and see the people dying!」(お前たち何人の子供を殺したんだ? 病院に行って、死んでいく人たちを見てこい) その言葉に突き動かされた綿井は、翌日バグダッド市内のサウラ病院で凄惨な状況を目撃します。瀕死の娘を抱えたアリ・サクバン(当時31歳)は、イラン・イラク戦争で二人の兄を失い、自らはイラク軍兵士として徴兵され、クェート侵攻に参加し、そして今回のイラク侵攻で3人の子供を空爆で失ったのです。
 
  それから一年、「戦争で人を殺すために、人間は生まれてきたわけではない・・・」と、サクバンは戦乱のイラクの現状とこれまでを語ります。米軍の非人道兵器「クラスター爆弾」で右目を負傷した12歳の少女・ハディールや右手を失った15歳の少年・アフマド。戦火に傷ついた様々な家族を描きながら、戦争の「意味」を、日本と世界に問いかけます。




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